錦糸町ビューティークリニック 医師ブログ

墨田区錦糸町にある美容皮膚科クリニック医師の徒然話

できてしまった顔のニキビをできるだけ早く治すには?

顔のニキビは、沢山できた場合はもちろん、1個や2個出た程度でも結構メンタルに来るものです。すこしでも早く治したいと思われる方が多いのではないでしょうか。

そもそもニキビができにくいように普段から色々と予防策を取っておくのが望ましいですが、何事も完璧というのは難しく、いかに予防策を取っていてもニキビが出るのを完全に抑えることはできません。出る時は出てしまいます。

ニキビの一般的な治療法や予防法については、また改めてお話するとして、できてしまったピンポイントのニキビをできるだけ早く治す、少なくとも目立たなくさせるにはどうすれば良いのかについて検討してみます。ある意味ニキビの救急治療とでも言いましょうか。

さて、突然ニキビが出る場合、大きく分けて①まだ若干の赤みと腫れ感があるだけのケース、②すでに明らかに赤く膨らんでいるケース、と2つのパターンがあります(その他に炎症がほとんどなく、脂だけが溜まっている白ニキビが急にできることもありますが、今回は割愛します。)

まず①のケース。この場合は炎症が始まっているけれども、まだそこまで強くない状態です。この状態でお勧めなのは、中程度以上のランクのステロイド外用剤を塗布することです。ご存知のようにステロイドには炎症を抑える働きがあり、初期段階のニキビで使用すれば炎症が次の段階に進まず、落ち着くことが期待できます。風邪の引き始めに葛根湯を飲むと、その後の進行が抑えられることがあるのとイメージが似ていますね。さらにニキビの原因菌に有効な抗生物質外用薬と、アダパレン等の角質を整える作用のある外用薬も塗布しておくとさらに効果が期待できます。さらに念を入れるなら、抗生物質ビタミンB2、B6、C、Eを内服します。これらの治療で抑えられなければ②の段階に進んでいきます。

なお、ステロイド外用剤は両刃の剣ですので、漫然と長期に塗り続けることは避ける必要があります。悪い時に期間限定で強めのステロイド剤を使用するのが重要です。

次に②のケース。こちらも上記同様にステロイド外用をしてもいいのですが、すでに炎症が進行しているため、効果はかなり限定的です。赤く膨らんでいるケースでは、中に膿が溜まってきていることが多く、この膿を早く外に出すことが最も重要です。皮膚の中に膿が溜まっていると炎症が引きにくいからです。清潔な状態でできるなら、自分で針を刺して穴を開け、中身を押し出すのも良いと思います。ただ、針を刺す場所や角度、深さを自分でコントロールするのは意外に難しいです。②のケースでは、早めに医療機関で膿などの内容物の圧出を受けるのが最も効果的です。多くの美容皮膚科では、炭酸ガスレーザーを用いたにきびの圧出がよく行われています。炭酸ガスレーザーは通常、ほくろやいぼを除去するのに使用し、簡単に言えば皮膚を削ることができる治療器です。このレーザーを皮膚の一点に適切な方法で照射すると、そこに穴を開けることができます。もっとも、穴を開けるだけであれば針でも構いません。炭酸ガスレーザーを使うメリットは、遠赤外線のレーザー光線の熱エネルギーにより、穴を通じてニキビの内部の殺菌、抗炎症効果をもたらすことです。また、針を刺すよりも出血がしにくいです。膿などの中身を出した後は、①と同様に抗生物質の外用薬塗布と抗生物質ビタミンB2、B6、C、Eの内服をするとより効果的です。

なお、当院でも炭酸ガスレーザーを使用したニキビの膿などの中身を出す治療(圧出)を行っています。ピンポイントにできたニキビを至急治したい時はご相談ください。状態により、その他のレーザー治療や注射点滴などを組み合わせることをご提案することもあります。

 

Kinshicho Beauty Clinic 副院長:遠藤栞

▼経歴
2017年浜松医科大学卒業
2019年Kinshicho Beauty Clinic勤務
2023年東京都立墨東病院麻酔科レジデント終了
麻酔科専門医取得

株式会社メドフリー代表取締役社長
運営メディア | すとれすふりードクター
編集メディア | まだ病棟で消耗してるの